映画『マトリックス』シリーズ名言9選|《Matrix学》の第一人者が厳選!

記事更新日: 2021/09/23

ライター: みつと先生

この記事の結論
  • 『MATRIX』3部作から厳選!名言9選
  • 一人ほぼ一名言
  • 名言から、3部作の名シーン&難解なメッセージを分かりやすく解説
この記事を書いた人
《Matrix学》の第一人者 みつと先生
現役プロ家庭教師・個別指導塾代表 人生の映画:『マトリックス』3部作

みつと先生

今回は、映画「MATRIX」シリーズの名言9選を紹介します!

人生が変わるほど深~いメッセージを選びました!

この記事は、ただの名言の羅列ではありません。

1キャラほぼ1名言で、『マトリックス』3部作の難解なメッセージを分かりやすく解説していきます。

みつと先生

『マトリックス』3部作には数々の名言がありますが、その中でストーリーの本質を表す名言だけを紹介します。

正直、ここまでまとめるのは大変でしたが傑作になりました!

*セリフは、DVD BOX『マトリックス・アルティメット・コレクション』の日本語字幕を書き起こしたもの

▼あらすじ見どころ解説はこちら!

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ネオ(Neo)の名言

スミス:君は負ける 戦う意味はない なぜだ? なぜそこまで戦う?
ネオ:選択したからだ

(『マトリックス・レボリューションズ』より)

みつと先生

いきなり本作の核心です。

ネオは“救世主”として、人間 VS AIの戦いのキーマンになっていました。

しかし、物語が進むにつれて、彼は、“救世主”さえも実はAIにコントロールされた存在だと知らされます。

彼のザイオンを救う全ての行動は、自ら選択したものではなく、AIに選択させられたものだったのです。

それでも、ネオは「選択したからだ」と答えるのです。

みつと先生

人間にとっては、未来は「未知」です。

分からないからこそ、「選んだ」と“自ら決めても良い”のです。

これが自信の真の姿=《自信》です。*

*《自信》とは、分かりやすく言うと、“根拠のない自信”です。

モーフィアス(Morpheus)の名言

1.
マトリックスとは? 
“支配”だ

——What is the Matrix? Control.

(『マトリックス』より)

みつと先生

これもまた核心です。

「MATRIX」とは、“電池”の人間に夢を見せるプログラムであり、仮想世界です。

AI—人間の「支配―被支配」の関係を支えるものです。

心身ともに、“支配”*の象徴なのです。

*本作では、“支配”=「思い込み」が強く描かれています

2.
何も恐れずここにいるのは覚えているからだ
私を導いたのはまだ見ぬ未来ではなく歩んできた道だということを
1世紀に及ぶ戦いで一番大事なことは何か
我々は生きている!

——I stand here without fear because I remember. After a century of war I remember that which matters most... We are still here!

(『マトリックス・リローデット』より)

モーフィアスは人間 VS AI の戦いの指導者*でもあります。

*モーフィアスの名前の由来は、薬物の「モルヒネ」。人間に希望を見せる役割を担っている

AIのザイオンへの侵攻が始まり、民衆は恐怖に怯えていました。

そんな中、彼はザイオンの岩のドームに立ち、堂々たる姿で民衆に「恐れるな!」と演説をします。

みつと先生

勝利の理由=生きているから

彼の演説を聴いていると、納得してしまいそうです。

これぞリーダーですね!

トリニティ(Trinity)の名言

時が来たの できることはしたわ
あとはあなたがやり遂げてね ザイオンを救うの

(『マトリックス・レボリューションズ』より)

みつと先生

本作のヒロイン・トリニティは、「自分が愛した人が“救世主”」という予言*を信じてネオと共に最後の戦いに挑みます。

彼女の最期は、愛を貫いた《自信》の姿を現しています。

*正確には、予言ではなく、ネオを信じて

オラクル(予言者/Oracle)の名言

救世主であることは恋をするのと同じ
“運命”なんて決して信じてはダメ
人生は自分で決めるものよ

——Being the One is just like being in love. You’ll remember you don’t believe in any of this fate crap. You’re in control of your own life.

(『マトリックス』より)

オラクルは、シリーズを通して物語の展開のきっかけになります。

「救世主であることは恋をするのと同じ」とは、“己を知れ(Know thyself.)”ということです。

彼女は予言者と呼ばれていますが、彼女にも分からないこと*はあり、無知を認めた上で ネオに不幸な予言、“運命”を告げます。

*理解しない選択の先

それでも最後には、「人生は自分で決めるもの」と《自信》を語っているのです。

みつと先生

シンプルな言葉ですが、奥深いですね!

「思い込み」が自分の力を強くも弱くもするのです。

エージェント・スミス(Smith)の名言

我々は自由だからここにいるのではない
理由からは逃れられん 目的も否定できん
我々は目的なしには存在し得ないからだ

——We're here because we're not free. There is no escaping reason; no denying purpose. Because as we both know, without purpose, we would not exist.

(『マトリックス・リローデット』より)

エージェント・スミスは、第2作ではエージェントではありません。

第1作でネオに倒された後、ネオの“救世主”の能力を一部 受け継ぎ復活します。

スミスは、ネオと再会すると、

  • エージェントからは自由になった
  • しかし、「自由だからここにいるのではない」

と語ります。

一見 矛盾しているようですが、これは 誰もが目的に支配されているということです。

スミスは次のように続けます。

目的が我々を生み出した 我々をつなぐ 行動させる 駆り立てる 目的が我々を定義する 結びつける

——It is purpose that created us. Purpose that connects us. Purpose that pulls us. That guides us. That drives us. It is purpose that defines us. Purpose that binds us.

みつと先生

人間の行動には全て目的があります。

私たちは、意外と自分が何をしたいのか・何をしようとしているかに気づいていないことが多いのです。

「MATRIX」=人間の社会に、目的のないものはない*のです。

*目的のないものは削除されるため

アーキテクト(「MATRIX」の設計者/Architect)の名言

“希望”は人間の典型的な妄想
最大の強さであり弱さの源でもある

——Hope, it is the quintessential human delusion, simultaneously the source of your greatest strength, and your greatest weakness.

(『マトリックス・リローデット』より)

みつと先生

人間の本質を一言で言い当てていますね。

《自信》とは、人間にとって希望そのものなんです。

真の自信=《自信》とは、分かりやすく言うと、“根拠のない自信”です。

《自信》=「妄想」=“希望”であり、これが人間の「最大の強さ」なのです。

人間 VS AIの戦いでは、“救世主”思想やモーフィアスの指導など、「妄想」がなければ戦い続けることはできなかったでしょう。

逆に、モーフィアスが “救世主”が嘘だったと知り、希望を失った姿は 実に弱々しいものでした…

みつと先生

妄想とは信仰とも言えます。

人間の歴史でも、ホモ=サピエンスが生き残れた一因も信仰。

ナチスドイツのユダヤ人大量虐殺の一因も信仰。

まさに「最大の強さであり弱さの源」ですね。

メロビンジアン(Merovingian)の名言

選択は幻想だ
あるのは力を持つ者と持たぬ者だけ

——Choice is an illusion created bettween those with power and those without.

(『マトリックス・レボリューションズ』より)

みつと先生

メロビンジアンの言葉は憎らしいほど真実です。

私たちは、ふつう「自分の行動は自分で選んだ」と思い込んでいます。

また、「未来は誰にも分からない」とも思い込んでいます。

いや、そもそもそんなこと考えもしないでしょう。

しかし、科学の常識では、

  • 人間は選択しているようでしていない=「選択は幻想」
  • 未来はすでに決まっている=決定論

と考えられているのです。

私たちが無知だから、選択している・未来が分からない と思い込んでいるのです。

みつと先生

メロビンジアンの言葉は憎らしいですが、ご安心ください。

無知こそが私たち人間の最大の武器だからです。

サイファー(Cipher)の名言 ~映画『マトリックス』の究極のメッセージ

“無知は幸福”

——Ignorance is bliss.

(『マトリックス』より)

みつと先生

私は、“無知は幸福”ほど奥深い言葉を知りません。座右の銘です‼

サイファーの裏切りとネオら戦闘員の生き方から、2つの解釈ができます。

解釈❶:知らない方が幸せ

これは、モーフィアスらと同じネブカドネザル号の船員・サイファーの言葉です。

彼は ネオと同様、仮想世界「MATRIX」から“現実”へ目覚めた人物です。

しかし、“現実”での苦しい戦いの日々やマズい飯、そしてトリニティへの失恋にうんざりし、船員を裏切ります。

サイファーは、なんと“電池”の人間として「MATRIX」に住むことを望むのです。

仮想世界「MATRIX」での日々は、“現実”を知らなければそれが“現実”。

だからこそ、“無知は幸福”なのです。

みつと先生

この言葉は一見 皮肉のようですが、別の解釈もできます。

解釈❷:知らないからこそ幸せ

ネオ、モーフィアス、トリニティ… 彼らも“無知は幸福”です。

しかし、サイファーは「知らない方が幸せ」なのに対し、彼らは「知らないからこそ幸せ」なのです。

みつと先生

ここで、最初に紹介したネオの名言の意味が分かります。

ネオは、“救世主”は“戦っている”のではなく、AIに“戦わされている”と知らされます。

しかし、それでも“選んだからだ”と戦い続け、死んでいきます。

スミスとの最後の戦い、彼がどんなに強敵でも、ネオにとっては戦いの結末・未来がどうなるか分からないのです。

つまり、ネオ=無知です。

無知だからこそ、自分の意志や選択、使命、理想の未来があると決めても良いのです=《自信》

だからこそ、“無知は幸福”なのです。

みつと先生

人間の脳は、自分で選べること(=自由)・選べないこと(=不自由)のバランスがとれているとき*に“現実”を感じ、不自由を自ら自由に変えることができた時に自己効力感=幸福感を覚えます。

幸福のスタート地点は無知なのです。

*偶有性という

道を知っていることと実際に歩むことは違う ~『マトリックス』より

——There’s a difference between knowing the path and walking the path.

みつと先生

この言葉はモーフィアスの名言です。

“無知は幸福”と共に、私の座右の銘なので紹介します‼

『マトリックス』の中盤、モーフィアスを救い出す時 ネオは自身が“救世主”だと気づき始めます*

*正確には、「思い込みが自分の力を決定することに気づき始めた」

一方、オラクル(予言者)からは「“救世主”ではない」と告げられています。

「道を知っていることと実際に歩むことは違う」

これは、ネオが自分の正体も未来も分からない中、モーフィアスから告げられる言葉です。

みつと先生

仮想世界「マトリックス」には法則はありますが、誰もその正体を知ることはできないものなのです。

マトリックスの設計者≒アーキテクトさえも、です。

自分の正体も未来も、“歩いてみないと分からない”のです。

あらすじ見どころ解説はこちら!

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