エルサルバドルがビットコイン導入!悪魔の政策か、それとも・・

記事更新日: 2021/09/19

ライター: いどゆう

いどゆう

エルサルバドルブロックチェーンを法定通貨にしたニュースが話題になっていますね!

それもそのはず、仮想通貨をドルや円と同じ「法定通貨」として扱う世界初の試みで、全世界が注目しています!

ちなみに、エルサルバドルという国、この件で初めて聞いた人も多いのではないでしょうか?

エルサルバドルとはどんな国なのか、なぜビットコインを導入したのか、徹底解説します!

▼この記事を読んで分かること

・エルサルバドルってどんな国?
・ビットコインを法定通貨にした背景とメリット
・今後想定される課題について

プロフィール
いどゆう
・大学卒業後上京し、不動産営業マン兼Webライターという2足のわらじで生活
・LIFENOTEでは主に「受験」「ブロックチェーン」「新技術」を担当
・勉強も兼ねて仮想通貨に投資中

エルサルバドルってどんな国?

いどゆう

エルサルバドルは中米にある国です。

面積は九州の半分くらい、人口660万人の小国です。

日本との直行便もなく、普段の生活の中では馴染みの少ない国ですが、

コーヒーやサッカーが有名な国ですね!

いどゆう

エルサルバドルの詳細については、下記からどうぞ!
地政学的観点から解説しています!

なぜビットコインを導入したのか

いどゆう

エルサルバドルは2021年9月7日にビットコインを法定通貨にしました。

いどゆう

導入初日から、技術的な問題が発生したり、ビットコインが急落したりと、波乱含みですが、なぜエルサルバドルはビットコインを導入したのでしょうか?

理由① 海外送金時のメリットが大きい

エルサルバドル国民の多くはアメリカへ出稼ぎしており、その数はなんと約250万人!

当然出稼ぎ者から母国の家族へ仕送りをするのですが、バカにならないのが海外送金手数料
(※ちなみにエルサルバドルの通貨は米ドルのため、両替手数料はかかりません。)

いどゆう

私も海外生活経験があるので分かるのですが、めちゃくちゃ高いですよね・・

その点、ビットコインであれば、介在する金融機関がないため送金手数料が非常に安いです!

もう1つのメリットが送金のスピード

個人間で直接送金できるため、着金確認の完了まで非常に速いです!

いどゆう

ビットコインを日常生活で使えるようにすれば、ビットコイン→ドルへの手間と手数料がかからなくなるため、便利になりますよね!

理由② 銀行口座を持っていない人も利用できる

エルサルバドルは国民の70%が銀行口座を持っていないとされています。

その点、ビットコインは銀行口座を開く必要がなく、スマホ上で全ての手続きが可能。

誰もが金融活動、経済活動に参加できるようになります。

いどゆう

途上国では、

家電や生活インフラを持っていなくても、スマホだけは持っている」

という人は多く、スマホで全取引が完結するビットコインは相性がいいのかもしれません。

理由③ 企業誘致アピール

近年ビットコインは「環境負荷がかかる」というマイナスイメージが広がっています。

それは、ビットコインを発見するマイニング※という作業に、莫大な電力を要するから。

マイニング・・・仮想通貨で、新規の取引情報を解析し、ブロックチェーンを作成する作業。膨大な量の計算が必要となる。
コトバンク参照)

一方、エルサルバドルは火山国で、古くから地熱発電が行うなど、比較的安価で安定的に電力を供給できます。

エルサルバドルのブケレ大統領もこの点に着目して、国営の地熱発電事業会社に
「100%クリーン、100%再生可能エネルギー、CO2排出0の、安価な地熱エネルギー」「マイニング用に提供する」よう指示出ししています。

内戦によって、経済や産業が疲弊してしまったエルサルバドル。

こういった企業誘致の狙いも透けて見えます。

ビットコイン導入の課題

いどゆう

壮大な社会実験の試みともいえるビットコインの法定通貨導入。課題はやはり多いと言えるでしょう。

いどゆう

京大卒ライターのいどゆうオリジナルの視点でビットコインを法定通貨にする課題を洗い出してみました!

課題① 価格が安定しない

日々急騰、急落を繰り返すビットコイン。

その比は株式や不動産のそれとは比較にならないくらい激しいものです。

「価格が安定しない」=「価値が安定しない」ということ。

いどゆう

今日持っているビットコインの価値が明日には半分になっている恐れも十分にあります。
(倍になっている可能性もありますが。)

投機やギャンブルであればまだしも、日常使う通貨としては使いにくいのは否めません。

課題② 技術的な問題で取引停止になる恐れがある

導入初日からビットコインを管理するウォレットの技術的問題が発生し、エルサルバドル政府はしばらくウォレットへのアクセスを遮断しました。

データ上で取引するビットコインは実態がないため、技術的な問題があるとたちまち取引が停止してしまいます

日本で例えるなら、お店でも銀行でも何かの契約でも、全ての場面において円が使えなくなるようなもの。

いどゆう

日本でも銀行のシステム障害による取引停止が度々ニュースになりますが、

法定通貨で同様の問題が起こったら混乱はその比ではないでしょう。

たとえ一瞬だったとしても、大混乱になることは明白です。

いどゆう

まだまだ実験段階なので、技術的な不備、欠陥による混乱は今後も起こりそうですね。

課題③ 政府がコントロールできない

政府や銀行など、管理者がいないというのがビットコイン最大の特徴で、それゆえに手数料が安く、スピーディーな取引が可能になります。

一方で、管理者がいないことによるデメリットもあります。

それは政府によるコントロールが効かないということ。

普通は、政府が中央銀行(日本だと日銀)を通して市場に出回るお金の供給量をコントロールできます。

景気がよくなりインフレ↗になれば、政府はお金の供給量を減らし↘

景気が悪くなりデフレ↘になれば、政府はお金の供給量を増やす↗ことで、経済を安定化させようとします。

一方、ビットコインは政府がコントロールできないため、急騰や暴落に対応する術がありません。

いどゆう

経済が混乱に陥ったときに、政府がどう対応できるのか、読めない部分ですね。。

課題④ 結局、これまでの通貨(米ドル)を使い続ける?

いどゆう

ビットコインを法定通貨にしたからといって、これまでの法定通貨(米ドル)がエルサルバドルで使えなくなったわけではありません。

しかし、ビットコインも法定通貨になった今、支払者が代金をビットコインで支払おうとしたとき、受取側はそれを拒否できないことになります。

”エルサルバドル国民の大半は米ドルを使い続ける”という世論調査もあるため、せっかく手数料が安いビットコイン取引の恩恵も、ドルに換えると消えてしまいます。
(ビットコイン→ドルの交換に手数料がかかるため。)

いどゆう

手数料がかかっても尚、国民がドルを使い続けるとなると、今回の政策は全くもって失敗となるでしょう。

まとめ

いどゆう

改めてエルサルバドルがビットコインを導入した背景と課題をおさらいしましょう!

▼エルサルバドルのビットコイン導入の背景

①海外送金時のメリットが大きい

②銀行口座を持っていなくても利用できる

③企業誘致アピール

▼ビットコイン導入の課題

①価格(=価値)が安定しない

②技術的な問題で取引停止になる恐れがある

③政府がコントロールできない

④結局、これまでの通貨を使い続けるかも

いどゆう

この政策はまだ始まったばかり。中米の小国の選択を全世界が見守っています!

いどゆう

日本にいる私たちも遠い国の出来事と思わず、近い将来の話かもと思って関心を持つことが大事ですね!

この記事を書いたライター

いどゆう

「世界一分かりやすい」ブロックチェーンライターを目指す!
・仮想通貨を猛勉強し、現在投資中。NFTも購入済み!
・NFT、GameFi、メタバースの無限の可能性を探る!
Twitterでも情報を発信中!

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