ビットコイン導入で波紋?エルサルバドルを地政学から徹底解説!

記事更新日: 2021/09/14

ライター: しゅん

2021年の9月7日に世界初のビットコインを法定通貨として採用した国として話題になった中米の国「エルサルバドル」

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みなさんは、エルサルバドルについてどんなことを知っていますか?

エルサルバドルは中米にある国で、首都は「サンサルバドル」、人口は660万人程度でスペイン語を共用語としています。

経済的には発展途上国に分類され、国民の240万人が貧困層といわれています。

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中米の国の中で唯一カリブ海に面していないという特徴も持っています。

この記事ではそんな南米の小国、エルサルバドルを歴史や地政学の観点から深掘りして解説していきたいと思います。

この記事を読むとわかること
  • エルサルバドルの歴史について
  • エルサルバドルの地政学的特徴について
  • エルサルバドルの経済について
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著者プロフィール
しゅん
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  • 時には自動車整備士、時にはケーキ職人と異色の経歴を持つ会社員
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  • 社労士取得に独学で挑戦後、Web運営に転向
  • 資格Webライターとして活躍中!

エルサルバドルの歴史をサクッと解説

エルサルバドルの独立まで

紀元前よりこの地域にはマヤ文明が栄えており、人が多数住んでいました。

16世紀になるとスペインの攻撃を受け、1528年にはエルサルバドルの全域が征服され、この時期に農業や牧畜など開発が進みました。

19世紀になると独立の機運が高まり、1810年から1821年まで独立戦争が起こり、1821年の9月16日にメキシコ帝国としてスペインからの独立を果たします。

その後も1823年にはメキシコ帝国の崩壊により、中央アメリカ連合州となり、1838年の中央アメリカ連合州の崩壊により1841年に「エルサルバドル」としてやっと独立を果たします。

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エルサルバドルとして独立した後も、1969年のサッカー戦争まで100年余りの間、内戦や隣国との戦争が続きます。

サッカー戦争とは?
エルサルバドルと隣国のホンジュラスとの間で1969年に起こった戦争。
戦争が起こった理由は移民問題や貿易摩擦によるものですが、同時期に行われていたサッカーのFIFAワールドカップの両国の対戦と関連付けられ「サッカー戦争」と呼ばれています。

サッカー戦争以降のエルサルバドル

サッカー戦争以後もホンジュラスより30万人余りの移民が送還されたことにより、国内の政治や経済は不安定な状態が続きます。

不安定な情勢の中で右派と左派のゲリラ攻撃が続き、1980年にはエルサルバドル内戦が起こります。

1992年に国際連合の仲介がはいり、7万5千人余りの死者を出したエルサルバドル内戦はやっと終わりを告げます

2001年にはドル化政策が行われ、それまでの通貨「コロン」から「米ドル」を自国通貨として流通させるようになりました。

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エルサルバドル内戦後は比較的情勢は安定していますが、犯罪発生率は世界一高いとも言われています。

ビットコインの法定通貨化

2021年9月7日に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用しました。

しかし、ビットコインの法定通貨化に対するデモが起きたり、政府が設けた電子ウォレットの「CHIVO(チボ)」でトラブルが起きたり、導入初日にビットコインの価格が急落するなどの問題も多数起こりました。

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仮想通貨が法定通貨として採用されることのメリット、デメリットはこれから明らかになってくるものも多いと思われます。

今後のエルサルバドルにどのようなことが起こるか注視していきたいです。

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エルサルバドルの地政学的特徴とは?

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ここまでエルサルバドルの歴史を解説してきましたが、

エルサルバドルの位置は地政学的に見るとどのような特徴を持っているのでしょうか?

カリブ海に面していない

エルサルバドルの大きな特徴として、中米の国の中で唯一カリブ海に面していないことがあげられます。

同時にベリーズを除き中米の中で、東西両方の海にアクセスできないという特徴を持っています。

そのため、地政学の観点からもシーレーンを通る世界の船がエルサルバドルに寄港するといった需要が起こらないため、港が発展していないという特徴があります。

中央アメリカ最大の地熱発電生産国

エルサルバドルの国土はシエラマドレ山脈など起伏や活火山が多く、水力や地熱発電の高いポテンシャルが期待されています。

すでに地熱発電では中央アメリカの国の中で最大の産出量をほこります。

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地熱はエネルギー資源としては優秀ですが、

石油などの原料のように容易に輸出することができないため、

エネルギー資源をたくさん持つ国なのにエネルギー輸出国ではないというジレンマを生み出しています。

エルサルバドルの経済は?

主な産業は農業

エルサルバドルの主な産業は農業で、コーヒー、砂糖、綿花の栽培が盛んです。

特にコーヒーの産出量は多く、全世界の1%以上がエルサルバドルで作られています

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エルサルバドル内戦までは中央アメリカ一の工業国でしたが、内戦が続くうちに衰退してしまいました。

観光も大きな収入源

観光関連のGDPに占める割合も8%程とかなり多く重要な収入源になっています。

火山やビーチ、マヤ文明の遺産、工芸品などが観光のかなめになっています。

犯罪発生率は世界で一番高いといわれるエルサルバドルの治安ですが、観光客は比較的安全といわれています。

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コロナ前の外務省のデータでは多くの地域でレベル1、一部の地域でレベル2に分類されていました。

世帯主はアメリカに出稼ぎに

他の中央アメリカの国々と同じく、世帯主がアメリカに出稼ぎに行っている家庭が多いのが特徴です。

実にGDPの2割が海外からの送金だと言われています。

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新興国にありがちなスマートフォンは持っているが銀行口座を持っていない国民が多く、

そのような背景からビットコインの法定通貨化に乗り出したといわれています。

まとめ

今回は、世界で初めてビットコインを導入したことで一躍有名になった中央アメリカの小国「エルサルバドル」について歴史や地政学の観点から深掘りしてきました。

エルサルバドルは近年まで戦争や内戦で情勢が安定していなかった影響でGDPの大半がアメリカなど海外からの出稼ぎに頼っている経済的に裕福といえない国でした。

しかし、エネルギー資源のポテンシャルの高さや中央アメリカ一の人口密度を誇る点など発展する要素も多くあるのもこの国の特徴です。

しゅん

ビットコインの法定通貨化という世界に先駆けた政策でどのように成長していくか今まで以上に注視していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いたライター

しゅん

  • 趣味から仕事に及ぶ幅広い資格を所持
  • 時には自動車整備士、時にはケーキ職人と異色の経歴を持つ会社員
  • 独学での勉強術で仕事をこなしながら多数の資格を取得
  • 社労士取得に独学で挑戦後、Web運営に転向
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