いどゆう
9月24日、中国人民銀行(日本でいう日銀)は「中国で暗号資産(仮想通貨)の交換や情報仲介などを全面的に禁止する」と発表し、市場に大きな衝撃が走りました。
関連サービスも含めて全て禁止という厳しい措置で、「違反した場合刑事責任を追及する」(!)とも発表しています。
かなり強権的な対応にも見えますが、裏にはどんな思惑があるのでしょうか?
いどゆう
京大卒ライターいどゆうが分かりやすく解説します!
事の発端は、2021年9月24日。
中国人民銀行(中央銀行)を含む中国の金融機関など10機関が”暗号資産(仮想通貨)の取引を全面的に禁止する”と発表しました。
仮想通貨に関連する活動を「違法」と位置付け、海外の取引所を介して取引することも禁止。
また中国国内のマイニングも禁止と、国内外問わず暗号資産に関する活動が全面的に禁止されました。
いどゆう
「違法」という定義にしたため、刑事責任の追及も可能になるということですね。
いどゆう
発表している表向きの理由としては、以下の3点です。
1.人々の財産を守り、経済・金融・社会の秩序を維持するため。
2.マイニング活動は国の経済成長に貢献しない
3.その割にマイニングは環境問題解決の大きな負荷になる
中国はこれまでも仮想通貨には規制を敷いてきましたが、これが恐らく最後にして最も強い禁止措置となりました。
いどゆう
ちなみに中国と真逆を行くのが中米エルサルバドル。
奇しくも同じ9月ですが、こちらはビットコインを法定通貨にしちゃいました!
(詳細は下記記事よりどうぞ!)
いどゆう
この発表を受けて、24日の仮想通貨市場は軒並み下落しました。
ビットコインが9%超の下落、イーサリアムも10%の下落となりました。
また、仮想通貨、マイニング関連事業者、ブロックチェーン関連銘柄も軒並み株安となるなど、市場は大荒れの様相となりました。
いどゆう
一国の決定とはいえ、世界最大の人口を抱える中国。
世界人口の約20%が仮想通貨を使えなくなったわけですから、さすがに市場も動揺しますね。
いどゆう
仮想通貨は、国家や金融機関などの管理者を必要としない通貨です。
誰にでも取引を公開するオープンな市場を目指しています。
いどゆう
そして中国は共産党による一党独裁の社会主義国。国が全部を管理するシステムです。
GoogleやTwitterでさえ追い出した中国ですから、国家のコントロールが全く効かない仮想通貨は容認しがたく、例えるなら水と油の関係。
いどゆう
また、中国はデジタル人民元の発行に力を入れており、冬季北京オリンピックの始まる2022年2月にも本格導入すると言われています!
デジタル人民元の狙いは、「人民元の国際化」を推し進め、中国が金融の国際覇権を握ることにあります。
「世界の工場」と呼ばれ、工業では覇権を握った中国。
経済でも徐々にアメリカの背後をとらえつつあります。
次に覇権を狙いに来るのは軍事と金融の分野です。
いどゆう
様々な分野で外部進出を図ろうとする中国ですが、金融もその一つ。
いどゆう
デジタル人民元と競合する仮想通貨を2022年前に排除したかった思惑もあるでしょう。
いどゆう
今回の措置はかなり踏み込んだ内容ですが、もともと仮想通貨には否定的だった中国。
影響は長くは続かないという考えが支配的です。
2017年以前は、ビットコイン取引の実に9割が人民元での取引だったと言われています。
ですが、中国は次々と仮想通貨に関する規制を強化。2017年9月には国内の仮想通貨取引所を全て閉鎖させました。
いどゆう
これにより、仮想通貨の人民元のシェアは急落。
現在は日本円や米ドル、ユーロ、韓国ウォンの取引が上位を占め、人民元での取引はほとんどありません。
こうした背景から、市場の混乱も一時的なものだと推察されています。
いどゆう
しかし、本当に厄介なのは、他の国も中国の動きに追随した場合。
中国とビットコインを法定通貨にしたエルサルバドルなどは例外として、多くの国は仮想通貨に対して様子見という対応になっています。ですが、今回の中国の措置を受け、他国も規制強化に乗り出したら・・・。
いどゆう
市場の混乱は長引くことが予想されます。
いどゆう
また、仮想通貨を使えない国が増えると通貨としての利便性が著しく下がり、仮想通貨は投機の対象というポジションからいつまでも脱却できないままです。
そうなると仮想通貨が目指すオープンな市場は実現されないことになります。
では、規制の動きが中国のみにとどまり、仮想通貨市場が順調に拡大していくとどうなるのでしょうか。
いどゆう
日本や欧米諸国が中国ほどの強権的な規制を敷くとは考えにくいです。
しかし、手放しで放任することも考えにくく、自国の通貨を守るために何かしらのブレーキはかけるでしょう。
いどゆう
そうなった場合、
仮想通貨市場vs法定通貨市場(旧来の金融市場)vsデジタル人民元市場
という三つ巴の金融覇権争いになるかもしれません。
あくまで仮説ですが、全体を俯瞰してみると、こうした動きにならないとも限りません。
いどゆう
今回は、中国による仮想通貨禁止措置とその混乱について解説しました。
今の市場の混乱がどうなるかを考えることも必要ですが、より大事になってくるのがその後に続く大きな流れをしっかり見据え、考えること。
今回の件に関わらず、仮想通貨はまだ未成熟産業なので、良くも悪くもホットであり続ける話題です!
いどゆう
未来なんて誰にも分からないので、考えが合っているかどうかは重要ではありません。
大事なのは己の頭で仮説を立てて予測することです!
・「世界一分かりやすい」ブロックチェーンライターを目指す!
・仮想通貨を猛勉強し、現在投資中。NFTも購入済み!
・NFT、GameFi、メタバースの無限の可能性を探る!
・Twitterでも情報を発信中!
・大学卒業後上京し、不動産営業マン兼Webライターという2足のわらじで生活
・LIFENOTEでは主に「受験」「ブロックチェーン」「新技術」を担当
・勉強も兼ねて仮想通貨に投資中
・世界一分かりやすいブロックチェーンの発信者を目指す!