しゅん
皆さんはアメリカという国についてどんなイメージをもっていますか?
アメリカと言えば、北アメリカ大陸にあるGDP世界1位のいわずと知れた超大国で「世界の覇権国家」といわれています。
そんなアメリカですが、地政学の側面から見ると「世界の辺境にある島国」と考えられています。
しゅん
なぜ、北アメリカ大陸にある世界の覇権国家のアメリカが世界の辺境にある島国になるのでしょうか?
超大国アメリカがなぜ「辺境の島国」になるのかというと、地政学から見た世界の中心(ハートランド)はユーラシア大陸を指します、そのためユーラシア大陸から遠く離れたアメリカ大陸にあるアメリカは世界の辺境とされます。
さらに、アメリカの国土は東西の両端が太平洋と大西洋に面しており、周囲に自国と拮抗した力を持った国が無いため、アメリカ大陸という大きな島にある国という考え方がされています。
実際にアメリカは大陸にある国ですが、ランドパワー国家ではなく、シ―パワー国家として世界中に海軍の軍事拠点を多数所持してきました。
しゅん
この記事では、そんな超大国アメリカの地政学を歴史と一緒に解説していきます。
初心者向け|地政学とはどんな学問?知れば世界の動きが全て解る! - LIFENOTE
しゅん
先ほどアメリカは「辺境の島国」と言いましたが、地政学的にアメリカとはどのような特徴を持っているのでしょう?
アメリカ大陸の位置は世界の中心(ハートランド)のユーラシア大陸から遠く離れた位置にあり孤立しています。
その影響で防衛上はその距離が有利に働きますが、攻撃には向かないという特徴を持っています。
しゅん
実際にアメリカ本土が直接攻撃されたのは歴史上ナポレオン戦争中の米英戦争(1812~1814)の時だけです。
ランドパワーの脅威がないという「辺境の島国」という特徴を活かし、フィリピンやグアム、ハワイなど世界各地に500以上もの軍事拠点を置きシ―パワーの増大を推し進めてきました。
日本はアメリカの防波堤?地政学から見る日本とは? - LIFENOTE
また、「辺境の島国」という立場を利用し、「オフショア・バランシング」を行うことができたという点も「世界の警察」として覇権国家に成ることができた理由だといえます。
しゅん
北アメリカ大陸にいち早く領土を広げたことで、近くに脅威がなくなり、シ―パワー国家として覇権国家になれたのですね!
しゅん
今でこそアメリカはアメリカ大陸の東西に海をのぞむ大国ですが、建国時のアメリカは東海岸の一部だけでした。
アメリカは17世紀始めにイギリスから渡ってきた移民によって作られた国です。
イギリスからの独立戦争を経て、その後も買収や併合・割譲を繰り返し西海岸まで領土を広げていきました。
しゅん
領土を広げていた西部開拓時代当時のアメリカは、大陸横断鉄道を建設するなど紛れもないランドパワーの国でした。
その後、1846年にメキシコからのカリフォルニアとテキサスの割譲、1867年のロシアからアラスカの購入を経てアメリカには新たに開拓する土地がなくなりました。
それを機に、1つの大きな島国として、シ―パワー国家に方向転換し、海洋進出をしていきます。
しゅん
1890年ごろの「フロンティアの消滅」によって西部開拓時代は終わりを告げたといわれています。
それは同時にアメリカがランドパワーからシ―パワーに方向転換したといえます。
シ―パワー国家に方向転換したアメリカは世界各国に軍事拠点を作っていきます。
シ―パワー理論を見出したのは地政学者のアルフレット・セイヤー・マハン(1840~1914)でした。
しゅん
マハンは、
と提言しました。
マハンの提言を受け、セオドア・ルーズベルト大統領はハワイ王国の併合やフィリピン・グアム・キューバを領有していたスペインとの米西戦争を主導し、パナマ運河の建設に着手しました。
シ―パワー国家に転向したアメリカは、太平洋を始め世界各国に500を超える軍事拠点を置き「世界の覇権国家」なります。
しゅん
正にマハンのいう通り、シ―パワーを握るアメリカが「世界の覇権国家」になりました。
今回の記事ではアメリカがなぜ「辺境の島国」と呼ばれているのかに焦点をあてて地政学からアメリカの地理的要因と歴史をひも解いてきました。
地政学的に世界も国々を見ると、今まで見えなかった視点から歴史やニュースを見ることができるようになります。
この記事を読んでぜひ「地政学」に興味を持っていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【2021年版】地政学おすすめの入門書15選をランキングで紹介! - LIFENOTE