世界第二位の経済大国中国はどんな国?3分で分かる地政学的解説!

記事更新日: 2021/10/07

ライター: しゅん

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みなさんはお隣の国、中国にどのようなイメージを持っていますか?

中国と言えば、人口世界一位の国や最近世界で二位の経済大国になった国、中華料理発祥の国、「キングダム」の春秋戦国時代の舞台となっている国、尖閣諸島の問題でたびたびニュースになっている国など様々なイメージを持たれている方が多いと思います。

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お隣の国だけあって様々なイメージを持たれる国ですが、

中国という国は地政学の観点から見るととても面白い分析をすることができます。

今回の記事では、そんなお隣の大国の中国について歴史や現代の状況などを地政学の観点から解説していきたいと思います。

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この記事を読むとわかること
  • 地政学から見た中国の歴史について
  • 地政学から見た現代の中国について
著者プロフィール
しゅん
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地政学から見た中国の歴史をサクッと解説

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中国4000年の歴史といわれますが、

地政学から見た中国はランドパワー国家として領土を広げて周りの脅威を排除し続ける歴史でした。

周りに脅威がたくさんいる状況

現代の中国は世界第三位の面積を誇る巨大な国ですが、歴史をさかのぼると常に隣国との国境紛争に悩まされてきた歴史があります。

古くは中国から見て四方に「東夷、西戒、南蛮、北秋」という脅威が、近代でもロシアやベトナムなどの国境を接する国との国境紛争に悩まされています。

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中国もランドパワー国家の特徴通り、

周辺の国を取り込もうとする傾向があります。

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シーパワー国家に負け続けてきた中国

中国は長い海岸線を持つ国ですが「海からの脅威がなく内陸からの脅威が強い」という地政学的な特徴からシーパワーに力を入れることができない状況でした。

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13世紀に「元」が中国全土を支配してからは、

日本とジャワに海洋進出をもくろみますがどちらも失敗に終わっています。

この失敗を受けそれ以降海洋進出に及び腰になった影響で、17世紀以降のシーパワー大国の台頭に伴いイギリスに半植民地化されてしまい、19世紀にはシーパワーの日本に日清戦争で敗れています。

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このように何度もシーパワーに敗れてきた歴史から、中国は海洋進出に野望を抱き続けています。

経済大国としてシーパワーの両立を目指す

近年になり急激な経済成長を果たし世界第二位の経済大国になった中国は、東シナ海や南シナ海などに影響力を強め積極的な海洋進出をしようとしています。

しゅん

地政学の世界では、ランドパワーとシーパワーを両立することはできないとされています。

今後の中国の海洋進出はどのようになるか非常に気になります。

現在の中国の地政学を解説

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海洋進出を始めた中国の現在の状況はどのようになっているのでしょう?

国境を確定させる

中国が海洋進出を始めた大きな理由に、陸上での国境が確定したということがあげられます。

古代から内陸からの脅威が強い国土の広い中国は、2004年にロシアと国境を画定するまで様々な国と国境に関する争いを続けていました。

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陸上での国境を確定させたことで、海洋進出に積極的に力をさけるようになりました。

国内の少数民族との対立は継続

隣国との国境の固まった現代でも国内での少数民族との対立は解消されていないのが現状です。

しゅん

チベットやウイグル自治区での少数民族との対立のニュースは見たことがある方も多いと思います。

このような国内での対立から、中国は「海外に向ける国防費よりも国内に向けた治安維持費の方が多い」というめずらしい特徴を持っています。

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このような対立の根底にあるのは「中国が長年陸からの脅威にさらされてきた恐怖心」という側面が大きいです。

西太平洋の覇権を狙う中国

中国の海洋進出には「海上に線を引き面で領土を取っていく」というランドパワー国家らしい領土の広げ方をしているという特徴があります。

実際に中国は「第一列島線」「第二列島線」という概念で線を海上に引き、その内側を面で抑え太平洋でのアメリカの脅威を排除しようと計画しています。

列島線とは?
  • 「第一列島線」…南西諸島から台湾、フィリピンを結ぶライン※尖閣諸島もここに含まれます
  • 「第二列島線」…小笠原諸島からグアム、サイパンを結ぶライン

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中国の計画では2020年には第二列島線までを抑える計画でしたが、すでに遅れが出ています。

現代のシルクロード一帯一路とは?

中国のランドパワーへの政策として象徴されるのが現代のシルクロードと呼ばれる「一帯一路」です。

一帯一路とは?
  • 「一帯」…中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパへと抜ける陸上の物流ルート
  • 「一路」…中国沿岸部から東南アジア、アラビア半島を経由してヨーロッパへ抜ける海上のルート

このように中国は古代のシルクロードのような中国とヨーロッパとの物流網を陸上と海上で結ぶために積極的な投資をしています。

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中国の思惑としては国内で過剰になった製品を海外で売るルートを作りたいという思いと、

13億人もの国民の国外での仕事を与えるという意図があります。

この「一帯一路」の裏側で発展途上国に鉄道や港の整備をすると貸し付けをしており、その国が債務超過に陥った場合に整備したインフラの使用権を独占するという「債務の罠」が国際的に問題視されています。

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中国の南下政策とは?

一帯一路以外にもランドパワーとしての勢力を広めるために雲南省の昆明を拠点にインドシナ半島方面に3つの高速鉄道のルートを築こうとしています。

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タイなどの国は、この鉄道が中国に軍事利用されないかと警戒をしています。

もう一つの南下政策として、河川ルートからの進出ももくろんでします。

インドシナ半島に流れる三大河川は中国の支配下のチベットから流れ出ているため、その途中にダムを造ることで下流の東南アジア各国の水資源を掌握するのでは見られており、各国と対立しています。

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水資源が抑えられるということは下流国にとって絶対に避けたいことです。

中国の地政学|まとめ

今回の記事では、地政学の観点から中国の歴史と現在の政策を解説してきました。

今後の中国は今までの常識を打ち破り、ランドパワーとシーパワーを両立した国になれるかどうかが地政学から見て興味深い点だといえます。

世界第二位の経済大国でお隣の国ということで、日本にとっても何かとニュースを見る機会や影響が大きい国なのでこの記事を読んで少しでも中国の地政学に興味を持っていただけたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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  • 趣味から仕事に及ぶ幅広い資格を所持
  • 時には自動車整備士、時にはケーキ職人と異色の経歴を持つ会社員
  • 独学での勉強術で仕事をこなしながら多数の資格を取得
  • 社労士取得に独学で挑戦後、Web運営に転向
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