しゅん
地球温暖化のニュースを良く見ますが、
地球温暖化の影響で新しいシーレーン(海運航路)が開発されることをご存じでしょうか?
その新しいシーレーンとは「北極海ルート」と呼ばれるルートです。
北極海ルートは北海道から北方領土、ベーリング海峡、北極海を通り、ヨーロッパに抜けるルートで、2000年以前は冬に凍結してしまう北極海を航行するのは不可能と思われてましたが地球温暖化の影響で通行が可能になり、現在ロシアが開発に力を入れています。
しゅん
この北極海ルートの開発によって、日本~ヨーロッパ間の航行距離が3割ほど短縮されます。
これだけでもかなり大きな経済効果が見込めます。
この記事ではそんな可能性を秘めた新しいシーレーンの「北極海ルート」について、メリットやデメリットを含め深掘り解説していきます。
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このページの目次
しゅん
地政学の常識を打ち破るといわれている新物流ルートの「北極海ルート」とはどのようなルートなのでしょうか?
北極海ルートは、東アジアの中国などの国々から津軽海峡を通り、そのまま千島列島を北上し、ベーリング海峡をを抜け、北極海を通ってヨーロッパの主要国まで抜けるルートです。
しゅん
航行距離が3割も減るということですぐにでも利用が拡大しそうな航路ですが、
実際の利用状況は伸び悩んでいるのが現状です。
次の章では、そんな北極海ルートのメリットとデメリットについて解説していきます。
物流をするうえで直接コストに繋がる航行距離は大きな要因です。
北極海ルートは単純に距離が3割短くなるので、燃料費などのコストは大幅に節約することができます。
現在のメインルートのスエズ運河を利用するルートには海賊がいる危険な海域が数多くありますが、北極海ルートは海賊がいる海域が無いルートのため、安全な運航をすることができます。
現在のルートには道中に様々な国やチョークポイントがあり、中には情勢が不安定な国も含まれるため周辺の国々で内戦や紛争があった場合、運航が難しくなってしまうリスクがあります。
その点、北極海ルートの道中はロシアの沿岸を通るルートのため、ロシアの許可を得るだけで運航することができます。
しゅん
こう見るとかなりのメリットがあるように見えますが、なぜ利用が伸び悩んでいるのでしょうか?
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温暖化の影響で氷が解けたと言っても、北極海の運航には強固な船体と特有の装備を搭載した耐氷船が必要になり費用が高額になってしまいます。
また、耐氷船の装備が重装備になるため維持費が高く、氷海を運航するための知識を持った船員も必要なことから人件費も高くかかってしまいます。
北極海ルートの航路にはロシアの北極海航路局への申請が必要ですが、今のところ通行料が明記されておらず不透明な状態になっています。
今までに使われていない新しいルートのため、途中に必要な補給基地の数や安全に運航するためのルートの情報が不十分な状態です。
しゅん
地政学の常識を打ち破るほどの北極海ルートですが利用が伸び悩んでいる理由には様々な要因があります。
しゅん
世界の物流を変える可能性がある北極海ルートですが、このルートに対する各国の思惑を地政学の観点から解説したいと思います。
ロシアとしては凍結して使えなかった海が新たな物流の主要ルートになるということで、積極的に開発を進めていくと考えられます。
またロシアの資源はルートの途中のシベリアや極東に8割が集中しているといわれています。
国内外のどちらの物流にも使える北極海ルートの開発は急務といえます。
しゅん
ロシアは2025年までに北極海ルートのコンテナ数を300万TEU(スエズ運河の5%程度)程度に高めるという意向を示しています。
中国としてはアメリカの影響が少ない北極海ルートの開発を望んでおり、氷上のシルクロードという位置づけで積極的に開発にも参加しています。
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アメリカとしては、ロシアや中国の影響力を抑えるためと北極海に面したアラスカの領土やグリーンランドに空軍基地を備えるなどロシアや中国と対立の姿勢を見せています。
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今回の記事では新しいシーレーンとなりうる「北極海ルート」について深掘り解説してきました。
このルートが開発されると世界の国々のパワーバランスにも大きな影響が起こるほどの大きな出来事です。
現状は物流コストに不透明な点が多いため、すぐにメインルートになるということはない状況ですが、欧州の運輸企業の試算によると2035年には現在のルートと選択に上がるコストバランスになるとも試算されているようです。
また、コストが見合わない場合でも、現在のシーレーンが通行不能になった場合の代替ルートとして急速に開発が進む可能性もありえます。
しゅん
この記事を通して世界に多大な影響がある「北極海ルート」に興味をもっていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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