しゅん
みなさんは2014年に起きたクリミア併合を知っていますか?
クリミア併合は、2014年にウクライナにあるクリミア半島をロシアが併合した事件で当時は大きなニュースになりました。
しゅん
この事件は冷戦後初の「武力による領土変更」とみなされており、国際社会から非難されています。
なぜ、ロシアは武力行使をしてまで面積が27,000㎢と四国と九州の間くらいの小さなクリミア半島を併合したのでしょうか?
しゅん
その理由とは、クリミア半島の地政学的な位置が大きく関係しています。
この記事では、なぜロシアが小さなクリミア半島を併合したのかを地政学の観点から解説していきます。
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このページの目次
しゅん
最初にクリミア併合の流れについてサクッと解説します。
クリミア(クリム)半島の位置は東欧のウクライナの南部に位置する黒海に飛び出た半島で、面積は27,000㎢と四国と九州の間くらいの大きさです。
ウクライナ国内はソ連崩壊以降ロシアのバッファゾーンとして、親ロシア派と親ヨーロッパ派が長らく対立していて特にウクライナ東部に位置するクリミア半島では親ロシア派が独立してロシア側につくことを求めていました。
そんな折、大統領選で親ロシア派が勝利したことがきっかけで、親ヨーロッパ派がクーデターを起こし親ロシア派の大統領が逃亡する事件からクリミアで内戦が始まります。
しゅん
バッファゾーンとは大国に囲まれた中立地帯を指します。
ウクライナの場合ロシアとヨーロッパのバッファゾーンとなっています。
この衝突に乗じてロシア軍が混乱を監視する名目でクリミア半島に介入し、クリミア半島で独立を問う国民投票が行われ、クリミア半島が独立したのちにロシアに併合されました。
しゅん
この国民投票の投票所にはロシア軍と思われる武装した「自警団」が投票を監視していたといわれており、
実に97%が賛成票でした。
この国民投票の監視が武力行使にあたるとして、冷戦後初の「武力による領土変更」として各国から大きな非難を受けています。
しゅん
ものすごくざっくりまとめると、
ソ連時代に領土だったクリミア半島を取り戻すために、
ロシアがウクライナの内戦に乗じて併合したという流れです。
しゅん
それではなぜロシアは武力行使してまでクリミア半島を併合したかったのでしょうか?
大きな理由として、クリミア半島にあるセバストポリ軍港を拠点にしたいという思惑がありました。
この軍港を抑えることでロシアの南下ルートの1つの黒海ルートを掌握することができるようになりました。
しゅん
黒海ルートは、黒海⇒ボスポラス海峡⇒ダーダネルス海峡⇒地中海というルートで地中海に出ることができます。
ロシアにとって重要なシーレーンになります。
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ウクライナが位置する場所はロシア側の勢力とヨーロッパ側(NATO)の勢力とのバッファゾーンとしてロシアにとってとても重要になっています。
しゅん
ロシアとしては何としてもウクライナに影響力を残して、
ヨーロッパ側とのバッファゾーンを死守したいところです。
今回はロシアのクリミア併合について地政学の観点からサクッと解説しました。
小さな面積のクリミア半島ですが、ロシアにとってはヨーロッパ側との力関係を保つうえでとても重要な位置で武力行使をしてでも欲しかった場所ということが分かっていただけたかと思います。
この記事を読んで「地政学」に興味を持っていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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