しゅん
突然ですが、皆さんは地政学という学問を知っていますか?
地政学(ジオポリティクス)とは、「地球(ジオ)」と「政治学(ポリティクス)」を掛け合わせた合成語で、それぞれの国の特性をその国が置かれた地理的空間や条件から説明することを目的とした学問です。
地政学自体は20世紀初頭に発展した比較的新しい学問ですが、グローバル化が進み世界がどんどん身近になる現代において、地球全体をマクロな視点でとらえ、各国の動向を分析する「地政学」の重要度が更に増しています。
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地政学の観点から考えることで、なぜ「アメリカが覇権国家になれたのか」という理由や、「シンガポールが発展した」理由、「中国が南シナ海で領海侵入を繰り返す」理由などが地理的特性から見えてくるようになります。
今回の記事では、地政学の基本概念の7つのキーワードに焦点をあてて、地政学の基礎部分を分かりやすく解説していきたいと思います。
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このページの目次
地政学の基本概念として、各国の特性をランドパワー(大陸国家)とシーパワー(海洋国家)に分類して考えます。
ユーラシア大陸の内陸部に位置する国々で、主に鉄道網や道路網の拡大や陸軍力の増強による国力の拡大を図る国家です。
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ランドパワー国家には、ロシアや中国、ドイツなどが該当します。
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国家の多くが海洋に面した国々で、主に造船技術や港湾施設などの整備、海軍力の増強による国力の拡大を図る国家です。
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シーパワー国家には、島国の日本やイギリス、大陸を島と考えたうえでアメリカなどが該当します。
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時代の流れとともに、ランドパワーとシーパワーは交互に力を持ってきました。
15世紀までは、航海技術が未発展だったため、ランドパワー国家が優位でした。
15~19世紀ごろは、大航海時代に入り、ポルトガル、スペイン、イギリスなどのシーパワー国家が優位になります。
19~20世紀ごろには、鉄道技術の発達で陸上輸送網が発達しドイツやロシアなどのランドパワー国家が再び台頭します。
20世紀半ば以降は再びシーパワー国家のアメリカが世界中に軍事拠点を置き、大きな影響力を持ちました。
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こうして時系列で見てみると技術の発展に合わせて、ランドパワーとシーパワーが交互に力を持ってきたことが分かりますね。
リムランドとマージナルシーの概要図
地政学の基礎を築いたイギリスの学者ハルフォード・マッキンダー(1861~1947)は広大な陸と北極海に守られたユーラシア大陸の中心部をハート・ランドと名付け、ここを支配するものは世界を制すると唱えました。
一方、アメリカの学者アルフレッド・セイヤー・マハン(1840~1914)は世界の海洋を支配するものこそが世界を制するというワールド・シー理論を唱えました。
このハートランドとワールドシーという概念を発展させた考え方が、リムランドとマージナル・シーです。
リムランドとはユーラシア大陸の中央部(ハートランド)を囲うように三日月形の北西ヨーロッパから中東、インド、東南アジア、朝鮮半島に至るユーラシア大陸の沿岸地域を指します。
マージナル・シーとはユーラシア大陸周辺の群島や半島に囲まれた海域でベーリング海やオホーツク海、日本海、東シナ海、南シナ海などを指します。
アメリカの地政学者ニコラス・スパイクマン(1893~1943)はハートランドの周辺のリムランドを支配するものがハートランドを制すると唱えており、リムランドを支配するために押さえるべき海の要衝がマージナル・シーとなっています。
現在、中国が海軍を増強しこの海域での他国への侵入を繰り返す背景にもマージナル・シーを支配することで、アメリカに対抗しうるシーパワーを手に入れる狙いがあるとされています。
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リムランドとマージナル・シーでランドパワーとシーパワーがぶつかるため、この地域では紛争が起きやすいという特徴があります。
世界の主なチョークポイント
現代においても大規模な物流は海路によるものがメインです。
そのため、国を維持・発展するためには貿易を安全に行う為の海上交通路(シーレーン)が不可欠になります。
その海路の中でも特に重要な地点が戦略的要衝(チョークポイント)です。
チョークポイントは防衛や攻撃するうえで有利な狭い水路に当たる海峡や運河などが該当します。有事の際にはこのチョークポイントを押さえることで敵国の物流を停滞させ、経済に打撃を与えることができます。
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日本の原油の輸入ルートに焦点を当てると、マラッカ・シンガポール海峡のチョークポイントを通るルートとロンボク・マカッサル海峡のチョークポイントを通るルートの2つのシーレーンがあります。
通行不能で日本経済は破綻?日本の経済を支えるシーレーンを解説! - LIFENOTE
地政学では対立する複数の大国に囲まれた小国や中立地帯を緩衝地帯(バッファゾーン)といいます。
強大な国同士が直接国境を接していると、衝突の危険性が増しますがバッファゾーンがあることによって衝突の危険性が軽減されます。
しかし、その一方でバッファゾーンでは大国同士の代理戦争が起きやすいという一面もあります。
しゅん
日本に身近なバッファゾーンは朝鮮半島です。実際に1950年には朝鮮戦争が起きています。
今回の記事では、地政学の基礎的な7つのキーワードについて解説しました。
今回解説した7つのキーワードはこれから地政学を学ぶ際に基礎知識としてとても重要になってきます。
地政学自体、それほどメジャーではなくまだまだマイナーな学問ですが、世界史などとすり合わせて学習することで地理的要因からなぜこのような歴史が作られたのかを更に深く理解することができます。
この記事を読んでいただいた方、ぜひ「地政学」に興味を持っていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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